2015年5月9日 てつがくカフェ第7回「幸せとは何か」(報告)

前回2月、「震災からーいま何を目指すのか」というテーマを話し合ったなかで、
後半、目指すものを、条件や性格などを慎重に吟味しながらも、”幸せ”や”希望”と
いったキーワードが参加者から出てきました。
震災後の「幸せ」について考えてはどうか、ということで、今回のテーマ設定となりました。


まずは、テーマ「幸せとは何か」から想起するものを参加者に挙げてもらい、幸せとは時代背景、個人の性格、これまでの経験、家庭環境などによって、主観的にはかなり異なることが、指摘されました。また「幸せ」を実感した経験がなければ、定義づけすら難しいという指摘もありました。

そのうえで、今回、どのような「問い」を立てるのかということになると、
・震災後の幸せとは何か
・幸せを構成している要素は何か
・個人が経験や状況を通してどのように幸せが生まれてくるのか
・どのように考えれば幸せなのか

という案が出た後、

・被災した人は不幸なのか

という「問い」が提案され、参加者の同意を得ました。

まず「被災した人」については「被害を受けた人」(人的、家屋等)としたうえで、「不幸」について確認しました。

不幸な状態としては、以下の意見が出され、
・あるべきものがない
・やるべきことがない、やりたいことがない
・自分自身を、または他人からも承認して/されていない
・心に痛みを感じること
・希望(期待)が高すぎる

特に、他人と”比較”したときにのネガティブな感情についての指摘も出ました。そのなかから、「不幸」を定義づけるためのキーワード抽出がなされ、「不幸」の定義づけとして
「社会または他人と、自分を比較して、自分が劣っているという感情・状態のこと」
であり、なおかつ、
そのような状況や感情が続くと思われる場合(=負の感情の継続)
という答えを編み出しました。

この定義づけにより、問い「被災した人は不幸なのか」を回答した場合、「負の感情を感じていれば、不幸である」という結論となりました。また加えて、負の感情の継続が予想される場合不幸であるという意味で、
「希望がなければ、不幸である」という合意が生まれました。

という流れのもと、今後「希望」について問うという課題が出てきました。

今回のカフェでは、福島在住の方も出席され、具体的な事例が話されながら、
「幸せ」について考えていく場面もあり、本てつがくカフェならではの
対話がありました。参加者14名。